認知症・介護予防について
~認知症とは~
〇認知症とは、認知機能(記憶力、言語能力、判断力、計算力、遂行力)の障害によって社会生活などが困難になる病気を総称したもの
〇認知症には、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管認知症、前頭側頭型認知症など、さまざまな種類があるが、日本では認知症患者の70%近くがアルツハイマー型認知症である
〇アルツハイマー型認知症は、アミロイドβというたんぱく質が脳に蓄積することで、神経細胞が死滅し、脳が委縮していく病気
〇認知症の予防には、認知症の原因になる危険因子を普段の暮らしからできるだけ取り除くことが大切!
~認知症の原因~
〇認知症の危険因子には、加齢、遺伝など自分ではコントロールできないものもあるが、喫煙、糖尿病、高血圧症、肥満、睡眠不足など生活習慣に関連するものが多く、その中でも特に危険度が高いとされているのが「運動不足」!
→アメリカにおけるアルツハイマー型認知症の危険因子
~認知症を予防するには~
〇脳の萎縮は記憶を司る『海馬』から始まるが、最近の研究により、運動には海馬の萎縮を食い止める効果があり、記憶力や認知機能をアップさせる可能性があることがわかってきた。その詳しいメカニズムは不明だが、仮説の1つとして、脳の神経を成長させるBDNF(脳由来神経栄養因子)が運動により多く分泌され、新たな神経細胞が生み出され、神経細胞のネットワークが強化され、海馬の萎縮を防ぐのではないかと考えられている
〇軽度認知障害(MCI)の高齢者実験→10ヶ月後の認知機能、海馬の萎縮度
●運動教室に参加するグループ→認知機能全般が明らかに回復、海馬の萎縮を食い止める
●健康講座を受けるグループ→認知機能の低下、海馬の萎縮
〇有酸素運動が海馬を守る!→1年後の海馬の大きさ
●週3回息が弾む程度の有酸素運動をするグループ→2%大きくなっていた
●毎日ストレッチだけを行うグループ→1.4%小さくなっていた
→運動の種類によって脳への効果は異なっていた、ストレッチも柔軟性の維持など健康に有効な運動の1つだが、海馬を萎縮から守り、認知機能を維持するためにはウォーキングなどの有酸素運動を取り入れることが大切!
〇有酸素運動が認知機能の維持や向上のカギを握っていることはほぼ間違いないが、軽度認知障害の人の場合、ウォーキングなどの単純な有酸素運動だけでは、認知症の低下を抑える十分な効果を得るのが難しいこともわかってきた!
〇頭を使いながら運動する「デュアルタスクトレーニング」が認知症予防には効果的
→2つのことを同時に行う、頭を使いながら運動する
(例)歩きながら引き算する、踏み台昇降・散歩をしながらしりとりする、動物の名前を挙げる、など
〇ネズミの実験(アメリカの研究)
単純な運動をさせたネズミより、遊びながら運動をさせたネズミの方がBDNF(脳由来神経栄養因子)の分泌が促進
→楽しい環境の中で、遊びや学習の要素も取り入れながら運動をすれば、脳に良い影響を与える可能性がある!
〇これまでの認知症予防は「いかにして神経細胞のダメージを抑えるか」に重点が置かれてきたが、運動は「今ある神経細胞のネットワークをいかにして強化するか」という方向からのアプローチとして大きな注目を集めている!
〇筋力低下による転倒・骨折、糖尿病、高血圧症、肥満など生活習慣病の予防にも運動は効果的!日々の運動が心身の健康によいことは誰もが実感していることだが、認知症予防の点からも運動の重要性が高まっている!
当院では、運動療法として有酸素運動も交えた【ボクシング&各種運動コース】を取り入れています!
左右数種類のパンチを、順番を変えて出すことで頭の体操にもなり、年齢にかかわらず体力に合わせて、楽しみながら体を動かすことができます!
ぜひ1度お試し下さい!